ビタミンB6欠乏症の症状とビタミンB6を多く含む食品
ビタミンB6は、アミノ酸代謝に関係している酵素の
補酵素として重要な役割を担うとともに、
体内におけるタンパク質の代謝という重要な働きをしている。
これをひらたく説明すると、以下のようになる。
手っとり早いところで、パソコンを例にとるならば、
文字入力の際に使用する「文字変換キー」がそれである。
ひらがなで打ったものを、
「カタカナ」や「漢字」に変更するキーなのだが、
この役割をしているのがビタミン B6なのである。
体内に取り込まれたタンパク質は、
いちど消化管内でバラバラに分解される。
この分解された一つ一つが、アミノ酸である。
タンパク質はこうしてアミノ酸段階まで分解され、
はじめて血液中に吸収、組織に送り込まれるのだが、
そこで再びクサリのように繋がってしまう。
この一連の作業をタンパク質代謝というが、
この中でアミノ酸を転移させる働きをしているのが、
ビタミンB6なのである。
ビタミンB6欠乏による症状
ビタミン B6が不足すると、
次のような欠乏症状がみられる。
例えば、ビタミンB6が欠乏すると、
虫歯になることが知られている。
というのは、ケラチンといって皮膚の表皮や毛髪、
歯の表面のエナメル質(ほうろう質)などを
作っているたんぱく質があるのだが、
ビタミン B6が欠乏すると、
そのケラチンのできが悪くなるので、
虫歯になるというわけである。
また、ビタミンB6は糖尿病とも重要な関係がある。
膵臓がインシュリン分泌するためには、
ニコチン酸が欠かせないのだが、
体内でニコチン酸をつくるためには、
これまたビタミンB6が必要になる。
したがって、糖尿病患者は
ニコチン酸とビタミンB6を十分にとる必要がある。
実際、糖尿病の治療には、
ビタミンB6を一日に180mgも投与することがある。
その他、ビタミンB6欠乏症としては、
食欲不振、吐き気、体重低下、
脂漏性皮膚炎(頭皮にうろこ状の屑やフケがたまる)、
口唇炎、口内炎、貧血、けいれんなどがみられる。
けいれんといえば、
ちょっと走ったくらいで足がけいれんするとか、
睡眠中からだをピクピクさせる人には、
案外とビタミンB6が欠乏していることがある。
ビタミンB6を多く含む食品
ビタミン B6の豊富な食品には、
ローヤルゼリー、胚芽、トウモロコシ、豆類、レバー、
肉類、魚、タマゴ、イーストなどがあげられる。
ビタミンB6の所要量については、
成人でおおよそ一日に2.0mgとされている。