喘息の食事療法~喘息にいい食べ物とは
喘息には「魚類に含まれる油が特に有効だ」
という研究結果が出ている。
喘息の発作が起きると、
LTB4やLTC4と呼ばれるロイコトリエンが作られ、
この物質が呼吸困難や喘息特有の使い症状を引き起こす。
脂の多い魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は、
このような刺激物質の生成を著しく抑え、
肺機能を改善する働きを持つ。
喘息で炎症を引き起こすロイコトリエンは、
ヒスタミンの1000倍以上も強力だが、
オメガ3系魚油はロイコトリエンの生成をブロックする力を持っている。
しかし缶詰や油の少ない白身魚にはあまり予防効果はなく、
新鮮な脂の多い魚と魚油サプリメントは効き目があることが、
様々な研究で証明されている。
脂の多い魚をよく食べる子供には、喘息患者が少ない。
また、脂の多い魚を日常的に食べるようにしてから
効果が現れるまでには、少なくとも18週間くらいかかる。
果物
果物や野菜に含まれる抗酸化物質は、喘息に効果がある。
酸化によるダメージから肺を守り、
体内に有害物質が蓄積するのを防いでくれる。
特にビタミン C たっぷりの食事は、喘息発作の発生率を下げる。
抗酸化物質は炎症を抑え、
鉛などの汚染物質を排除するのにも役立つ。
リンゴに含まれるケルセチン(フラボノイドの一種)は、
肺の健康に良いことがわかっている。
粘膜を強くし、肺機能、肺活量を高めるためには、
他の果物を摂るよりも1日1個のリンゴが良いように思われる。
サクランボ、ブルーベリー、ラズベリー、 ブラックベリーなど、
色の濃いベリー類に含まれる抗酸化物質のプロアントシアニジンも、
特に肺に対して良い効果を発揮する。
コーヒー
健康のためにコーヒーをやめると、
喘息の発作に関しては、良くなるどころか悪化することがある。
実のところカフェインは、テオフィリン(喘息に良い事が分かっている)
という物質に似た働きをする。
一般的にカフェインは健康には良くないと考えられているが、
喘息の人の場合、コーヒーをいきなり辞めないで、
飲む量を徐々に時間をかけて減らしていく方が良いかもしれない。
菜食主義
徹底した菜食主義の食事が、
喘息の治療に非常に効果があると証明している事例もある。
これには強い意志の力がいるので、
すべての人に向く方法ではないが、
これこそ自分向きの方法だと思う人には、
入念に計画された徹底した菜食主義が功を奏する可能性はある。
徹底した菜食主義では、肉類、魚類、卵、乳製品、
バターなど動物性食品はすべて除去する。
上手に管理できれば、栄養不足に陥ることはないが、
念のためビタミン B12、ビタミン D、ビタミン A 、亜鉛、鉄が
配合されたマルチ栄養サプリメントを服用した方が良いだろう。
この手の食事療法を始めようと思ったら、
まず、それに関する良書を1冊読むことを勧める。
ハーブ
甘草は喘息に効くハーブで、
副腎皮質ホルモンのコルチゾンと似た分子構造を持ち、
抗炎症作用がある。
コルチゾン製剤と違って、甘草は副腎を萎縮させることがないし、
また血糖値を安定させる働きもある。
ただし、高血圧の人は甘草は摂らないようにする。
また、甘草を定期的に摂る場合は、
野菜や果物をたくさん摂ってカリウムの豊富な食事を心がけること。
甘草には、カリウムの排出を促す作用があるためである。
さらにカモミールも喘息に大変良いハーブなので、
煎じて1日数回飲むと効果的である。
運動とビタミン C
急激な運動が喘息発作の引き金になる人もいるが、
一般には定期的な運動によって
喘息体質が改善されることの方が多い。
特に暖かい屋内プールでの水泳は、
喘息を持った子供には特に良いと報告されている。
もし運動によって喘息が起こるなら、
運動の30分前に大量のビタミンC
(粉末のビタミン Cなら小さじ一杯、または5g)
を飲むとヒスタミンが抑えられ、発作が起こりにくくなる。
また、イチョウの葉を粉にした薬も効果があると言われている。
おそらく、呼吸器官への血液循環を良くしてくれるからだろう。