玄米の農薬や放射能物質、フィチン酸が危険性を除く
「玄米は栄養価が高いので食べたいのだが、
どうも農薬や放射能物質が気になって・・・
どうしたものだろうか」
と言っている人がたまにいる。
そういう人に限って、平気で牛乳を日に三本も飲んでいたり、
「缶詰でも何でもマグロに限る」などと言っていたりするので
呆れるばかりである。
神戸大の喜多村教授の以前行われた研究によると、
血液中のBHC濃度は牛乳や肉食をしている人に高く、
玄米・菜食をしていた人は最低であった。
(BHC、DDT、有機水銀、パラチオンなどの農薬は
今は使用禁止になっている)
また、かつて
「玄米に白米の2倍の水銀農薬が検出された」
と騒がれたことがあった。
しかしその後、玄米食者の毛髪中の水銀を調べたところ、
「白米食者と比較して両者のあいだに著しい差はない」
という研究結果が報告された。
それどころか、
「体内に残留するのは白米食者のほうが著しく多い」
ことも、調布研究所のデータで証明された。
玄米に危険性がないことについて、
沼田博士はこういう考え方をしている。
①水銀は周期律上からは第二属に属し、
フィチン酸と結合して、
不溶性のフィチン酸を作る可能性がある。
②玄米食では食べる量からみて、白米食の半分以下となり、
便通もよくなり、腸内に滞留する時間も少なくなるので、
これら有機物の吸収される時間が短縮され安全度が高い。
③毛髪中に検出される水銀は、
農薬として使用されているフェニール醋酸水銀ではなく、
メチル水銀であった。
これはコメからではなく、魚介類を食べたためである。
沼田先生は、ストロンチウムやカドミウムや亜鉛についても、
これらが周期律のうえから第二属に属し、
化学吸収質が水銀とよく似ているので、
「玄米食者は玄米を恐れることはない」と報告している。
フィチン酸の働きが公害物質の吸収を妨げる
ここでフィチン酸という物質のことを考えてみる。
10g中の玄米には、
24mgのフィチン酸が含まれているが、
10g中の白米には4mgしか含まれていない。
玄米に多量に含まれているフィチン酸には、放射能物質、
水銀や鉛といった重金属類ともよく結合する性質がある。
そのためフィチン酸というのは、
公害物質を体外に排泄するという働きを行う。
日常の食生活が玄米・菜食型の人の血液は、
アルカロージス(アルカリ性に傾く)となるため、
有害物質は腸内でほとんど吸収されることはない。
ところがこれに反して、酸性食品である白米や肉、
白砂糖および人工甘味料、あるいは
各種の食品添加剤入りの食品を中心として
常食している人々の血液はアチドージス(酸性に傾く)となるので、
白米に含まれる公害物質は体外に排泄されることなく、
腸から吸収されることになる。
要するにフィチン酸があるかないかで、
この差がつくわけである。
だがフィチン酸の働きで、玄米は安全だといっても、
100%大丈夫だというわけではなく、
あくまで「白米に比較して安全」ということである。
私自身も、お米屋さんで売っている
ごく普通の玄米をいただいている。
私たちの理想は、農薬をいっさい使わない玄米の主食と、
化学肥料をいっさい使わない副食、
そして死の灰なんかに悩まされない
世界平和が訪れることなのである。