偏頭痛発症の25%はこのような食べ物が原因
偏頭痛持ちの人はたいてい、「5つのC」、
つまりチョコレート(chocolate)、チーズ(cheese)、
赤ワイン(claret)、コーヒー(coffee)、
柑橘類(citrus fruit)が引き金になることを知っている。
偏頭痛の25%程度は、
食べ物や飲み物が関係しているようである。
特に、アルコール、チョコレート、チーズなどの乳製品、
柑橘類などは、血管作動性アミンを豊富に含んでいて、
脳内血管に作用するので要注意である。
偏頭痛の人の25%くらいまでは、
特定の食べ物に対してアレルギーがあるというよりは、
むしろ重要な酵素PSTが不足している。
PSTが不足すると、アミン濃度が上がり、
血小板の凝集が促され、セロトニンが放出される。
チラミンが豊富なブルーチーズや熟成チーズに、
アミン類が含まれていることはよく知られているが、
一方、クリームチーズやカッテージチーズには含まれていない。
また、赤ワインにもチラミンは含まれており、
さらにはチョコレートと同じように
フラボノイド類も豊富に含まれている。
赤ワインに色をつけるこのフラボノイドは、
PSTを不活性化させる。
食べ物に含まれる偏頭痛を引き起こす物質
チラミンの豊富な食べ物としては、
レバー、ソーセージ、ソラマメなどがある。
果物や野菜は熟しすぎるとチラミン濃度が上がるので、
熟し過ぎのアボガドやイチジクの缶詰を食べると、
偏頭痛が起こることがある。
また、同じくアミン類であるフェニルエチルアミンも
チョコレートに含まれており、
チョコレートの色が濃いほどその含有量は多くなる。
ヒスタミンもアミン類で、ワイン、ビール、チーズ、
サラミ、ピクルス類に含まれている。
オクトパミンやスネフリンは、オレンジなどの柑橘類、
そして柑橘類のジュースやマーマレードに含まれている。
偏頭痛に関係する様々な食べ物
偏頭痛に関係するその他の食べ物に、カフェイン含有飲料、
ナッツ、揚げ物、油っこい食品、豚肉がある。
豚肉は他の肉類に比べ、偏頭痛との関連が深いようである。
ベーコン、サラミ、フランクフルトなどの加工肉製品に
使われる硝酸塩と亜硝酸塩は、
前に説明したのと同じような不快な影響を及ぼす。
つまり、まず脳内血管が収縮し、
続いて血管が拡張するために頭痛が起こる。
硝酸塩は、セロリ、レタス、ラディッシュ、
ほうれん草などの野菜にも少量含まれている。
アスパルテームは、清涼飲料、ヨーグルト、
その他の加工甘味食品に
砂糖の代わりとして添加されている人工甘味料で、
アミノ酸2個、フェニルアラニン、アスパラギン酸からなる。
ある研究によると、
偏頭痛が起きた人のうち10人に1人以上が、
この甘味料のせいだと考えられている。
以上に挙げた犯人候補のすべてが、
常にどの人にも偏頭痛を引き起こすというわけではない。
あなたの頭痛に、
どの食べ物が関係しているかを確かめる方法は、
通常通りの食事をしながら詳細な食べ物日誌をつけておく。
もしくは一定期間、問題の食べ物を摂らないようにして、
そのあとその食べ物を再び摂って比較するやり方がある。