にんにく風呂でアトピーなどのアレルギー症状が改善する
アトピーというのはギリシア語から来た言葉で、
「奇妙な」とか「不思議な」病気という意味。
一般的にアトピー性皮膚炎として知られている。
子供の肘や膝など、関節部位の皮膚が厚くなり、
激しいかゆみを伴う頑固な皮膚病の一種。
ひどい場合には、そうした症状が顔をはじめ、
全身に及ぶことさえある。
アトピー性体質といわれるように、
どうも先天的な体質と関係があるらしいとみられている。
蕁麻疹、喘息などになりやすい家系の子供に
比較的多いからである。
もちろん、突発的に表れることもある。
直接の原因は、鶏卵、ハムやソーセージを
始めとする肉類とその加工品、
牛乳などタンパク質の多い食品に対して、
アレルギー反応を起こすことがあげられる。
ただ、これ以外の食べ物に反応を起こす人もあり、
一概には言えない。
ホコリやダニが原因になる場合もある。
また、農薬や化学肥料によって汚染された食品が
母親の体内に蓄積した結果、
子供に発生するという説もあるが、
確かなことは不明である。
アトピーとニンニク
強いかゆみや湿疹などを伴うアトピー性皮膚炎は、
アレルギー性の皮膚炎。
皮膚の抵抗力が落ちた時に皮膚炎にかかり、
そこに雑菌がついて悪化するという仕組み。
しかしながら、なぜ抵抗力が落ちてしまうのかは、
いまだ解明がなされていない。
「食べ物に関係があるのではないか」ともいわれるが、
因果関係は掴めていない。
そのためアトピー性皮膚炎は、
治りにくい病気の一つに挙げられている。
ところが以前、以下のような
「アトピー性皮膚炎にニンニクが効果的」
という報道があってからというもの、
ニンニクに注目が集まりだした。
ハマチの養殖場で、ニンニク成分が
配合されたはまちの栄養剤が手につくと、
手が温かくなることから、風呂に入れてみたところ、
体が温まることがわかった。そこで、近くの大学研究室が
ひどいかゆみを伴ったアトピー性皮膚炎の患者に、
ニンニク風呂を勧めたところ、
4分の3の患者に効果があった。
ニンニク風呂の効果は、ニンニクの持っている
有効成分であるアリシンなどの物質が、
皮膚の表面から吸収されるためと思われる。
その結果、皮膚の血行が良くなり、
新陳代謝が活発になって、
かゆみや湿疹のある皮膚が改善されるのだろう。
また長野県のある主婦は、
子供のアトピー性皮膚炎を治すために、
石けんは刺激の少ないものに替えたり、
洗濯洗剤を天然素材にしたり、
シャツを木綿にしたりしたが、効果が見られなかった。
しかし、子供をニンニク風呂に入れたところ、
痒がらずに夜もぐっすり眠れるようになったそうである。
これは、ニンニク風呂で体が温まったことに加えて、
ニンニクに含まれるアリシンに睡眠作用があるためであろう。
ニンニク活用法
ニンニク風呂の最も簡単な作り方は、
ニンニク10片ほどを布でくるみ、
水に入れて沸かしていく。
においが気になる人には、ニンニク一片を蒸すか煮て、
それをガーゼで包み、お湯の中で潰すことで、
においを少なくすることができる。
「ちょっとニンニクのにおいがあるかな」
と思われる程度が良い。
皮膚がヒリヒリするようでは、
ニンニクの量が多すぎるとみてよい。