関節リウマチに影響をおよぼす食事療法
関節炎の治療法に関しては、数多くの因子があり、
これだけで一冊の本が書けるほどである。
だが、食物アレルギーや食物過敏症への対処に
関する助言に従うことがかなりの数の人々に役に立つので、
ここでは食物アレルギーや過敏症が
関節炎とどのように関わっているかを見ていくことにする。
変形性関節症では、栄養学的な治療で、
関節炎の典型的な症状である”摩耗に由来する炎症”を
多少抑えることができるが、
根本的な原因に対しては効果が限られる。
しかし、慢性関節リウマチの場合は、
食事内容を変えることで、
多くの患者さんに大幅な症状改善がみられる。
慢性関節リウマチには免疫系が関与しているので、
食事内容が病気の進行に
直接的な効果を与えるのだと考えられている。
多くのアレルギーや食物不耐性では、
特定の食物を避けることで比較的早く効果が出ることがあるが、
慢性関節リウマチの場合、
効果が出るまでかなり長い期間が必要になる。
時には、除去食事療法を始めてから変化を感じ始めるまでに、
最低でも12週間は必要な例もある。
なので固い決心がないとなかなか実行できない。
除去食事療法の期間中に、
うっかり食べてはいけない物を食べてしまうと、
それまでの努力が水の泡となる。
だからといって、悪い可能性ばかり考えずに、
明るい方を見て食事療法を取り入れるようにしたい。
慢性関節リウマチを引き起こす犯人
慢性関節リウマチに関して、犯人と考えられる主な食品は、
小麦が使用されている製品、乳製品、柑橘類、
ナス科の植物(トマト、ナス、ピーマン、唐辛子、じゃがいも)である。
また、喫煙(タバコもナス科の植物)、飲酒、
砂糖の摂り過ぎも慎むと良い。
不満の声が聞こえてきそうだが、
やってみればできるものだし、その見返りは大きい。
12週間が終わる頃には、
多くの人が慢性関節リウマチの症状が
和らいでいるのを感じるようになる。
そうしたら徐々に、食べないようにしていた食品を
一つずつ試していき、
どれが悪さをしていたかを確かめることができる。
慢性関節リウマチでは、これらの食品を
すべて同時に口にしないようにすることが極めて重要。
一つずつ除去しても、同じ結果が得られないことがよくある。
関節炎に効果的な食品
魚油には炎症を抑える効果があるので、
リウマチの症状を大きく改善してくれる。
また、抗酸化ビタミンとミネラルもとても大切である。
なので、油の多い魚(さば、いわし、マグロ、サケ、
アンチョビなど)と、新鮮な果物や野菜を沢山食べること。
さらに、魚油のサプリメント、フラックス油、
高用量の抗酸化サプリメントも効果的である。
飽和脂肪酸を多く含む肉、チーズ、全脂肪乳、
バターなどを大幅に控えることを勧める。